今月今夜の意味とは?お祭りで見かける四字熟語の謎

豆知識
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夏祭りや秋祭りで灯籠や行灯等に「今月今夜」と書かれているのを見たことはありませんか?
今月なのか今夜なのか分かりにくい四字熟語だなぁと思って調べてみたら、ちゃんと意味があったんです!

これからお祭りで使えるプチ雑学をどうぞ♪

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今月今夜の読み方と出典


今月今夜の読み方は「こんげつこんや」です。

明治30年代に発表された、尾崎紅葉の「金色夜叉」という小説中に出てくる言葉です。
主人公の貫一には宮(みや)という許嫁(今で言う婚約者)がいたのですが、宮は親の言葉に従って貫一を裏切り富豪に嫁いでしまいます。
そして怒った貫一が熱海の海岸でお宮蹴り飛ばして言ったセリフが以下の文。

「吁(ああ)、宮(みい)さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処(どこ)でこの月を見るのだか! 再来年(さらいねん)の今月今夜……十年後(のち)の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ」 Wikipediaより

つまり作中で今月今夜とは「1月17日」の事。
そのため1月17日を「今月今夜の月の日」と言います。
そして作中にちなんで1月17日に曇ることを「貫一曇り」と言います。
そして熱海ではこの日「尾崎紅葉祭」が行われます。

恋人に捨てられた男の執念深い想いから生まれた名セリフ。
毎年1月17日に月を自分の涙で曇らして見せるという恨み言。
そして曇った月を見て自分を思い出して欲しいという想い。

切ない小説が「今月今夜」の生みの親だったんですねぇ。

今月今夜の意味は?祭で使われるわけ

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#お祭りっぽい #おはやし #逢瀬神社 #今月今夜?#小布施

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金色夜叉での「今月今夜」は1月17日ですが、現代での「今月今夜」は主に「今日の夜」を意味します。
つまり今月今夜とは今日の夜という意味

「今月今夜」と同じ意味で「今月今晩」もよく使われています。
神社でのお祭りや神事がある日に提灯等に書かれて設置される事が多いですね。
四字熟語のように見栄えも良く、綺麗な字面で分かりやすいのでよく使われます。

今月今夜の「今月」には今宵の月といった風流な意味も感じ取れて美しいですね。
今日の月、今日の夜。

神事で多く使われるようになった理由が分かります。

今月今夜の意味まとめ

いかがでしたか?
今までなんとなく字面で想像していた「今月今夜」の始まりと意味が分かっていただけたでしょうか?
言葉の元となった「金色夜叉」を読むと、また違った心持で「今月今夜」を受け止められるかもしれません。

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